多くの人は注文住宅の建設は人生に一度きりであり、高額な出費を伴う大きな買い物になります。
注文住宅は住宅に関するさまざまな知識を集結して建てられますが、一般の方ではわからないことが多いことでしょう。
なかには注文住宅を建てたものの、自分の意に添わなかったり希望通りにならなかったりといった事例もあります。
本記事では、注文住宅の契約前に確認しておくべき、失敗しないための注意点とチェックポイントについて解説します。
注文住宅の契約の流れを知ろう!
注文住宅の契約を締結するまでの流れは、「仮契約」と「本契約」のふたつに分けられます。
下記にて、注文住宅における仮契約までの流れと、本契約から受け渡しまでの流れをご紹介します。
仮契約までの流れ
仮契約までは、主に情報収集と支払い能力の証明、建てたい家のニーズを伝えることがメインとなります。
- 家づくりや自分が理想とする家に関する情報を収集する
- 複数社のハウスメーカーや建築会社に声を掛けて、相談する
- 各社に自分のニーズを伝え、見積もりや間取り案を出してもらい、比較する
- 金融機関に支払い能力を確認してもらう
- 注文住宅の建設を依頼する会社を選ぶ
- 申込金を支払い、仮契約を締結する
申込金については10万円程度が相場であり、本契約時には建築費用に充当されます。
この時点では仮契約であることから、建築請負契約を結んだわけではないためキャンセルができます。
本契約から受け渡しまでの流れ
本契約から受け渡しまでは、具体的な打ち合わせや建築請負契約、および契約金の支払がメインとなります。
- 詳細な建築プランを打ち合わせる
- 詳細なプランを決定し、最終的な見積もりを出してもらう
- 建築請負契約を締結し、契約金を支払う
最後の「建築請負契約を締結し、契約金を支払う」を終えると本契約が締結するため、キャンセルができません。
それまでに何度も打ち合わせを行うことになりますが、後悔がないようにしっかりと自分のニーズを伝えましょう。
注文住宅の契約時に確認すべきチェック項目
こちらでは、注文住宅の契約時に確認すべきチェック項目をご紹介します。
工事スケジュール
注文住宅を建築する際、着工日や完成日、引き渡し日といったさまざまな日程が設けられています。
これらはいつから何が始まるのか、いつまでに何が終わるのかといった情報をまとめたもので、いわゆるスケジュールをまとめたものになります。
工事が大幅に遅れたときは違約金が発生するのが一般的ですが、事前に確認しておくことでスムーズに話が進みます。
支払時期・金額
注文住宅では大きく分けて「着手金」「着工前と上棟時の中間金」「引き渡し時の残代金」の大きく3つに分けて支払いが発生します。
いずれも全体の30%程度が一般的であり、これらについてはそれぞれ支払期限が設けられています。
住宅ローンを利用する場合はつなぎ融資を利用することになるため、それぞれの支払時期や金額については必ず確認しましょう。
ローン特約
ローン特約とは、建物や土地の購入および新築時に締結する売買契約や、工事請負契約で、売り主と買い主間で締結します。
金融機関へのローン借り入れ申請が一部または全部が承認されなかった場合に、契約を解除することができます。
ローン特約があることによって、承認されなかったときに違約金を支払わなくても済むのです。
違約金
工事請負契約を締結したあとのキャンセルは翌日であっても契約違反となるため、違約金が発生します。
違約金については解約タイミングや施工会社によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。
ただし、直球で聞くと信頼されなくなる可能性があるため、聞き方には注意しておきましょう。
アフターサービス
施工会社は不備がないように工事を進めますが、場合によっては不具合や事故、欠陥が発生する可能性はゼロではありません。
注文住宅の場合、施工会社は10年程度の瑕疵担保責任を付けることが義務付けられています。
瑕疵担保責任はアフターサービスともいえるもので、対象範囲などについて確認しておくと安心です。
注文住宅の契約後に起こりやすい問題と対策
注文住宅の契約後には、遅延損害金や追加・変更工事、利用する住宅ローンに関するトラブルが付きまといます。
これらは契約書を読まなかったり、事前に確認しなかったりすることで発生するため、確認に十分な時間を取ることで防げます。
これらの質問に明確な答えを用意できない施工会社は信頼が不足しているといえるため、判断材料のひとつといえます。
おわりに
本記事では、注文住宅の契約前に確認しておくべき、ポイントについて解説しました。
注文住宅を建てる際は、施工会社に対して工事スケジュールや支払時期・金額、ローン特約、違約金、アフターサービスについて確認しましょう。
注文住宅の契約後には、遅延損害金や追加・変更工事、利用する住宅ローンに関するトラブルが付きまといます。
これらは各種契約前、施工会社に確認することで解決できるものが多いため、不安なポイントは解消してから契約しましょう。
人生における大きな買い物は、質疑応答によってより良いものとなるものです。