住まいのコラム

2024/01/25

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家づくりをはじめる時に知っておきたい耐震基準・等級・構造

地震国日本において、建物の耐震性は非常に重要です。
家づくりをはじめると、「耐震基準」と「耐震等級」、「耐震構造」といった言葉を耳にすると
思います。

「耐震基準」・「耐震等級」・「耐震構造」はそれぞれ別の意味を持っております。
そのため、初めて聞く方には、やや複雑に感じられるかもしれません。これらの違いを分かりやすく説明します。

簡単に説明すると、
耐震基準とは、日本で建築する上で、用途にかかわらず誰もが守るべきもの。
耐震等級とは、住宅に建築する際に定めているもので、耐震性を分かりやすく判断する指標的なものになります。
耐震構造とは、耐震基準に基づいた技術的な基準に従って建物の耐震性をより高めるために設計することです。

1)耐震基準について

耐震基準は、建築物が地震に対して最低限満たすべき耐性の基準を指します。
この基準は、建築基準法によって定められ、地震に対する建物の安全性を保証するために設けられています。
耐震基準には、過去に設定された「旧耐震基準」、より強化された「新耐震基準」、さらに詳細な条件を加えた
「現行耐震基準」があります。これらは、それぞれ地震への対応力を高めるために時間とともに改訂されてきました。

旧耐震基準(1950年制定)
1950年に制定された「旧耐震基準」は、震度5程度の中規模地震に対応することを目標としていました。
この基準では、建物の重さの20%に相当する地震力に耐えることが求められ、
許容応力計算により構造の安全性が確保されるよう設計されていました。

新耐震基準(1981年制定)
1981年の「新耐震基準」は、震度6強から震度7程度の大地震に耐えることを目標に設定しました。
この基準の導入は、1978年の宮城県沖地震を受けて行われました。
新基準では、建物の保有する耐力が必要とされる耐力を上回ることを条件とし、大規模地震に対するより高い安全性が求められました。

現行耐震基準(2000年制定)
2000年に制定された「現行耐震基準」では、地盤調査が義務化され、壁の配置バランスや壁量、接合部の条件なども
法律で明確に規制されました。これにより、より詳細かつ厳格な耐震設計が求められるようになりました。

【引用元・参考リンク】

※建築基準法について※国土交通省住宅局 住宅・建物の耐震について

※静岡県内の耐震診断の助成金制度について(後日アップ予定)

2)耐震等級について

「耐震等級」は、住宅性能表示制度に定める「品確法」に沿って制定されたもので、
 地震に対する建物の強度を示す指標です。

耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)
地震に対する構造躯体の倒壊、崩壊等のしにくさを表示します(等級3〜1)。
極めて希に(数百年に一度程度)発生する地震力が建築基準法で定められており、性能表示制度では
これに耐えられるものを等級1としています。(引用:住宅性能評価・表示協会)

耐震等級1
「耐震等級1」とは、建築基準法に定められている最低限の耐震性能を満たしていることを示すものです。
数百年に一度発生しうる震度6強から7に相当する大地震に耐えるよう構造計算された建物。建築基準法と同等の基準内容

耐震等級2
「耐震等級2」とは、「耐震等級1」の1.25倍の倍率の耐震強度があることを表わしています。
耐震基準を上回る耐震性能を得るためには、「壁量計算」と「耐震計算」を用いて設計した物件が対象となります。

壁量計算とは、地震の力に対して問題がないように耐力壁の厚みや配置、材料を決める計算します。
耐震計算とは、構造計算という地震などの荷重によって柱や床などの構造部材に問題がないのか計算をした上で耐震性能を算出します。

耐震等級3
「耐震等級3」は、「耐震等級1」の1.5倍の倍率の耐震強度があることを表わしています。
「耐震等級3」を得るためには、構造計算の「許容応力度計算」を用いて設計された住宅である必要があります。

「許容応力度計算」とは、地震力による長期荷重や短期荷重を想定して部材等の内部に生じる抵抗力を算出し、
各部材が耐えられるかどうかを限界点と比較することです。地震によって柱や梁が耐えられるかどうかを計算します。

その他(免震建物)
建築基準法で定める免震建築物であるかどうかを表示します。
免震建築物であることの確認とともに、免震建築物としての性能を維持していくために必要な免震材料等の維持管理ルールを
設定しているかの確認も行います。

長期優良住宅
「長期優良住宅」とは、長期にわたり優良な状態で使用するための措置が講じられた住宅です。

 

【引用元・参考リンク】
※国土交通省住宅性能表示制度

※一般社団法人  住宅性能評価・表示協会

※国土交通省 長期優良住宅

 

3)耐震構造について

耐震構造は、耐震基準に基づいた技術的な基準を満たすことにより、建物の耐震性をさらに高めるための設計手法です。
これには、建物の柱や梁、壁の配置や材質の選定、建築方法などが含まれます。
耐震構造は、建物が地震の揺れに対してより強く耐えられるようにすることを目的としており、建物の安全性を向上させます。
(免震構造・制振構造も含まれます。)

※耐震につよい家づくり(近日公開予定)

4)まとめ

耐震基準、耐震等級、耐震構造は、いずれも地震への対策として非常に重要です。
耐震基準は法律による最低限の要求を、耐震等級はそれを超える建物の強度を、耐震構造は実際の建築技術による強化を指します。
これらを理解することで、地震に強い住宅選びに役立てることができます。

静岡県は昔から東海地震に備えて耐震化等に対して全国屈指の積極的に取り組んでいる地域です。
また、地震対策は建物だけでなく、暮らし全般で行っていく必要があります。

 

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